善昇窯 山岡陶画苑
清水焼 窯元
京焼・清水焼
伝統を継承していきます
京都市内の喧騒から外れ、岩倉にある長谷八幡宮の鳥居のすぐそば、閑静な住宅地に工房を構え、清水焼を製陶される山岡高広(雅号:山岡善高)さん。
清水焼(又は京焼)とは、特段の技法ではなく、京都で作成された焼き物の総称を言うそうです。
山岡さんは、高校卒業後、陶芸専門の学校、工業試験場での研修を経て、清水焼団地にて更に修行、お父様である山岡善昇に師事し、平成5年現在の地にて独立開業されました。
取引先の多くは百貨店や問屋さんで、受注生産を基本にされており、茶道具、食器から陶磁器ならほとんどのものを手掛けておられます。
作業工程は、原料である土をこね、練ります。その土を、轆轤にかけ遠心力で成型するのですが、これが正に熟練の職人技です。
その状態では、まだ柔らかく細かな成型が難しいので、一旦水分を飛ばすために据え置きます。
生乾きで、すこし堅くなった土をカンナで削り、形を製品の形に整えます。その後、電気釜で800度で素焼きを行います。その素焼きに、釉薬をかけ1230度で本焼きを行い、煌びやかな上絵付を低温で何度も焼きながら完成させます。
土の作成、成型、窯焼きを山岡さんが行い、絵付けはスタッフの方と共同で行っておられます。絵付けは、様々な筆を駆使し、図案に沿って細かい模様を一つずつ手作業で施されており、絶大な集中力を必要とします。
工房に、飾られている過去に作成された器を見ていると、色彩豊かなものから素朴なものまで、素人でも丁寧なお仕事をされていることがよくわかります。
「お客様が好んでもらえること・喜んでもらえること」が、やり甲斐とお話しされていました。
茶器であったり、高価なお茶碗といったものは、普段の生活では欠かせないものではありませんが、陶器1つで生活の彩りを豊かにしてくれます。
人間の歴史は文化なくしてここまでの成長はなかったはずです。そういう文化の継承という意味で、後継者の不足、材料となる土、釉薬など有資源のため、国産ではこの先手に入らなくなる事や質が落ちていることをとても懸念されています。
さて、集中力を高め静かに陶器を作成されている山岡さんですが、仕事から離れるととてもアクティブで多趣味な方です!ボウリングの腕前は上々、ジャズを好み、アンプやスピーカーなどのオーディオ収集、カメラの腕前もなかなかとのこと。職人気質なところもありますが、とてもフランクな方です。
個人の方にも小売りされており、清水焼団地の陶器市では、大勢のお客様が来られるようです。リーズナブルに手に入れるチャンスです。ぜひ狙ってみてください。
取材日:2021年1月21日
ろくろでの形成。喋りながらでも 綺麗に形成されるので驚きです
京都ならでは、 清水寺や嵐山の花灯路を乾燥中
様々な色ごとの顔料を ガラス板の上で擦って使用されます
とても細い絵付け、かなりの集中力。 思わず息を止めて撮影しました
いろんな形、細かい絵柄の作品が、 あちこちに沢山おいてあります