組合員紹介

Introduction

渡辺金襴

金襴製造


金襴生地で拡がる縁
新しいモノづくりに共に挑戦しませんか!

「金襴(きんらん)」とは、糸に金箔を巻きつけた金糸や、細く切った金箔を織り込み、紋様を顕わした布地のことを言います。織物の中でも特に豪華で黄金色に輝く豪奢な文様は数ある布地の中でも最高の位に入る織物です。一般的には、能衣装、袈裟、表装(掛け軸)などに用いられます。
渡辺崇博さんは、この金襴の製造、経営に携わる2代目。
この業界に入って36年になるそうです。基本的には、様々なタイプの自動織機を駆使して、得意先からの注文生産を中心に行っていますが、近年は、業界全体の先細り傾向への懸念と、もともとあったクリエイティブな熱も相まって、このまま単に決められたものを織るだけではいかんということで、この金襴生地で様々なものを創作されています。

最近では、お知合いの飲食店から周年行事の贈答品として、何か作れないかということでお声がかかり、扇子を作成。すると、その扇子が好評で、その飲食店のお知り合いが、うちの周年行事にも何か作ってよということで、名刺入れを作成。これまた好評と、縁が縁を呼ぶ効果をもたらしています。また、オリジナルマスクも作成されるなど意欲的に動かれています。
お金ももちろん大事だけれども、やっぱり縁が大事とおっしゃる渡辺さん。
「京縁会」という会を作り、同業はもちろん、竹屋さん、陶器屋さんなどとも、コラボレーション企画を持ったり、さらに新しいモノづくりにも挑戦中とのこと。ご本人の、壁を作らない性格とも相まって、縁はさらに広がっている模様です。
その縁を広げる裏打ちとなるものは、やはり長年培ってきた織の技術と、ものづくりへの情熱ではないでしょうか。
やってみて失敗したことも数多くあるけど、最初から「できません」で縁は切らないことを心掛けていると仰います。持ちうる技術の中で、とりあえずやってみて、最善の方法を探す。仮にできなくとも、代替の方法を考え、コストも含めて提案するようにする。このスタンスが、次々と縁を生んできているのではと感じます。
自分の思い通りにならなくてしんどいことも多いけど、自分が作ったものがお客さんに渡り、本気で喜んでもらえたと思える瞬間が至福の時であり、さらなる創作意欲につながるとのこと。まだまだ渡辺さんの創作意欲は尽きません。
金襴生地で何か作りたいものがあれば、業界の方はもとより、それ以外の製造業者の方、いつでもご連絡くださいとのことです。更に縁が広がって、新しいものが出来上がるのが楽しみですね。

取材日:2021年2月5日

西陣製造の絹織物扇子

オリジナル立体マスク

織機を調整するベテラン従業員さん

工場内の織機群

大師衣 袈裟

事業所名
渡辺金襴(わたなべきんらん)
所在地
京都市北区大北山原谷乾町24-27
営業時間
午前9時~午後6時
定休⽇
土曜、日曜日
電話番号
075-464-1965